北欧研修レポ③(完結編)
しばらくブログを書くことが出来ず、空いてしまいましたが、2月の北欧研修の第三弾、完結編を書いていこうと思います。
滞在4日目はスウェーデンから大型客船で移動してきた先、フィンランド、ヘルシンキをご紹介します。
フィンランドと言えば、ムーミンや北欧デザインの食器「iittala」が有名ですが、建築界では世界的建築家「アルヴァ・アアルト」がまず思い浮かびます。
建築だけにとどまらず、家具や照明、プロダクトなども多く手掛け、「Artek」(アルテック)というブランドで日本で購入することもできます。
私も大好きな建築家のアアルトですが、今回は2件の建物を実際に視察させていただき、現地の日本語が堪能なガイドさんに案内していただけました。
まずはアアルトの晩年を過ごしたアトリエです。
60年以上前の建物で、今はアアルト財団がご子息から買い取り、維持、保全をしています。
天井の高いこの部屋はアアルト専用の部屋ということで、中庭を囲うように曲線でつながった窓が特徴的ですが、照明デザインの試作品を吊るして試行錯誤する場所でもあるそうです。
手掛けた椅子も数多く置いてあり、自由に座らせてもらえました。
クライアントとの打ち合わせルーム。
ちょっと写真では見えにくいですが、左の窪んだ壁は斜めに傾斜しており、上には天窓がある為、この壁面に図面や模型を貼り自然光を用いてクライアントに光に入り方などの説明をしていたそうです。
北欧では日照時間は貴重なものなので、北欧カラーと言われるカラフルな色合いで部屋を明るくというイメージがありますが、自然光を大切にするアアルトは明るいカラフルな壁はほとんど作らず、白い壁が好きで天井や一部に木を使ったデザインが多く、その分、窓の配置等にはこだわりを持って採光計画をしていたそうです。
現代の日本にもすごく合うデザインが多いからか、日本でもアアルト好きなファンはたくさんいます。
古さをあまり感じさせない普遍的なデザインです。
2階にある所員の方々が使うデスクです。
当時の写真が置いてあったのですが、現在もほぼ当時のまま使用されています。
自然光がとても気持ちの良い空間!!私はこの場所が一番好きになりました。
こんな場所で働けたら最高ですね。
続けてアアルトの自邸兼アトリエです。先ほどのアトリエから歩くと5分くらいだったと思います。
これでも80年以上前の建物です。
スケール感がやっぱり日本向きかもですね。
ちょっとここからはどんどん日が暮れてきたので、あまりお見せできそうな写真はありませんでしたが数枚ご紹介します。
自宅のリビングにてアアルト財団のガイドさんの説明。奥はアトリエです。
このガイドさんは北海道に留学経験があるとのことで、全て日本語で案内をしてくれます。
アトリエ。小さな縦空間で吹抜けを介して、2階もあります。
奥の隅っこがアアルトの席だったそうです。
窓からは公園が見えるのですが、冬だったのでスケート場になっていました。
ダイニングルーム。ここは妻のアイノさんの好みでオリエンタルな家具だそうです。
最後の写真は2階の暖炉前の家族団らんスペースにて、某社のSさんが浸っている場面です。
アアルト巡りはこの旅一番の楽しみだったので、おそらく誰よりもこの空間と時間を大切に感じていたと思いますが、本当に生涯で実際の建物を見て触れることはそうはないことなので、感慨深く大満足の一日でした。
住宅ではありませんが、アアルトが手掛けた「フィンランディアホール」前で集合写真。
続けて、その他の建物も。
「テンペリアウキオ教会」
戦後にお金が無くなり、地上に建てる予定だったのを変更して、花崗岩だったこの地をくり抜いて半地下に建てられた建物。
ドーム天井の銅板と放射状ルーバーからの印影が美しい静寂な空間でした。
そして12月にオープンしたばかりという図書館も予定にはありませんでしたが、ガイドさんの粋な計らいで見ていくことに。
近代的な建物ですが、めちゃくちゃ見応えあるぅ!
ダイナミックに曲線でオーバーハングした2階?3階?の壁は本物の木でできていました。
現地人に紛れて某社のSさんがここでも浸っていました。
床は曲がっていますが、椅子は水平にできていて座りやすかったそうです。
以上、弾丸4泊6日の北欧2か国を巡る旅より。
fin…