人生2回目の新築は無駄を削ぎ落し、大人の雰囲気で楽しめる暮らしを求めた家となった。
北側の森を借景とする為、隣家が建つ南側には最低限の窓しか設けないことで、室内には時間ごとに変わる陰影が上質な深みを感じさせてくれる。
濃いグレーの内観色とは対照的に、明るく照らされた緑広がる景色により贅沢なひと時を送ることができそうだ。
南区石山で工事が始まりました。
お盆が明けてひと月が経っても暑い毎日ですが、今日は曇天で少し過ごしやすい気候でした。
基礎工事の掘削はいつもは重機が一台進めるのですが、今回は2台。
なぜなら裏手に新設する塀の掘削もしなければならないから。掘削作業を一日で終わらせるために頑張ってくれました。
裏手にはサイクリングロード、それに並行して川が流れており、このロケーションを活かすように設計計画をしています。
布基礎と呼ばれる基礎の立ち上がり部分が出来上がり、型枠が解体されました。
解体しないとわからない打設不良もなく、きれいに仕上がって一安心です。
型枠を解体するときにたくさん落ちる釘もきれいに拾ってくれています。
裏の擁壁もきれいに仕上がりました。写真ではわかりませんが、型枠解体直後は顔が映るくらいビカビカとしています。
南区石山東の陰影の棲家、無事に上棟となりました。
過去に例を見ない雪虫の大量発生で、大工さんもマスクにメガネに、耳にはティッシュを詰めて作業に臨んでいました。
足場がかかる前の広いうちに、土台敷きに取り掛かった棟梁。数日雨が続きましたが、カラッとした秋晴れで気持ちのいい作業日和でした。
基礎と木土台を固定するアンカーボルトを締めていきます。
翌日午前中に足場がかかったので、昼から一階の柱を立てました。
番号通りにホゾ穴に立てていくだけなので、サクサクと進みます。
通し柱と梁の一部も架かりました。これはさすがに棟梁一人では無理なのでお手伝い。
普段使わない筋肉を使ったので翌日は軽い筋肉痛でした・・・
手作業で架けられる梁はすべて架けたのでこの日の作業はここまで。
最近はすっかり日も短くなり、夕方には月明かりが見られるようになりました。
ちなみに写真のように左側が欠けている月は上弦の月らしいです。小学生の息子が教えてくれました。自分も習ったはずなのに覚えていないものですね。
建て方初日、クレーン車が来ての作業です。建て方のときはいつも頼んでいる大工さんも来てくれ、2名体制。
精度が求められる斜めの梁も、気持ちが良いくらいビタっと納まりました。
そして本日建て方2日目、二階の柱・梁・屋根の母屋を架ける作業。
屋根を受ける母屋をハンマーで叩き込む棟梁にはもうすぐ1歳の娘さんがいます。
家では見られない、足袋靴を履き高いところをスタスタ歩いて仕事する姿を見たら、パパかっこいい!ってなりそうですね。
最後の母屋がかかる瞬間。三角屋根の場合の「棟木」が存在しない造りなので、この母屋を以て上棟となります。
経験したことのない量の雪虫には参りましたが、なんとか予定通り上棟となりました。
屋根の上に板金屋さん登場です。今回は2階の屋根の板金工事。
エイトワークスの板金屋さんは過去に一度も雨漏りを起こしたことがないという、不敗神話を持つ業者さん。雨仕舞が悪そうなところがあれば意見やアドバイスを遠慮なくくれる、頼りになる職人集団です。
板金を葺(ふ)く前に下地の防水処理、アスファルトルーフィングの重なり幅チェック。
大型のユニック車で板金を屋根の上へ。
45cm幅の板金を一枚ずつ葺いていきます。
ここからがチームプレイの見せ所。向かって左端の職人さんが端部を合わせたら、一斉にみんなで釘打ちします。
左端の職人「はい。」
他の職人 「「「はーい。」」」
ドドドドドドドドドド!
「はい。」
「「「はーい。」」」
ドドドドドドドドドド!
左端の職人「はい。」
他の職人 「「「はーい。」」」
ドドドドドドドドドド・・・・・
ひたすらこの連続です。
一斉に釘を叩くので、家の中にはものすごい音が響きます。中で作業する大工さんとは会話が不可能なほど。
今回は2階の屋根だけでしたが、1階の屋根も大工さんの段取りが終わり次第すぐに来てもらいます。
サッシや玄関ドアの取付が完了し、ガラスも入りました。
玄関ドアも棟梁を手伝って吊り込み完了。
木製の玄関ドアは傷や日焼け防止のためにこの後すぐに養生されてしまうので、塗装前の無垢の状態が見られるのは今日限りです。
家全体を覆う防水紙も張り終わりましたが、窓まわりやジョイントなどの細かい部分の処理はこれから。むしろこの作業が一番神経と時間を使う工程です。
外回りの下地が進んでいます。
オレンジに見える下地は防腐塗装済みの証拠です。
防水や気密の欠損部分を作らない様、配線や配管の貫通部分のコーキング処理。
裏手のテラスの軒天はウェスタンレッドシダーの羽目板張りが終わりました。三角形で、さらに勾配が付いてる天井のため大変そうですが、思ったより早く進みました。
テラスの軒天に続き、玄関ポーチの壁・天井仕上げ作業です。
壁も天井もウェスタンレッドシダーの羽目板を張ります。まずは天井から先行。奥行きがあり面積の広いポーチなので時間がかかります。
壁も張り上がると、天井と一体となりトンネル感が強調されました。
外回りの作業が終わり、明日からようやく中の作業に入ります。
充填断熱のグラスウールがほぼ完了しました。
天井の断熱はまだまだ先ですが、壁だけでも現場内で焚くヒーターの熱はずいぶん逃げにくくなります。
写真右側のグラスウールが入っている壁は外壁面ではなく室内の間仕切りです。
エイトワークスの標準仕様として、ユーティリティなどの水回りは防音のために壁内にグラスウールを入れています。
断熱材の上に張られた気密シート。相変わらずシワなく丁寧に施工されていて、棟梁のこだわりを感じます。
実際、気密シートを張っている時に手伝おうとすると、
「大丈夫です」とやんわりと断られてしまう悲しい瞬間がたまにあります。
積まれた無垢フローリング。現場内の湿度に馴染ませるため、施工時期より少し早めに納品させています。
陰影の棲家の外壁は塗り壁となります。
塗り壁の材料は凍害を起こすため冬に施工ができません。暖かくなる時期を待ってから塗るので、下地となるサイディングを張ったら春までそのままです。
窯業サイディングと呼ばれる、セメントで成形した外壁材です。塗壁の密着が良くなるように、表面はザラザラしています。
細かい三角形部分なども丁寧に張ってくれました。これから目地や天井との取り合いをシーリング施工していきます。
階段の取付が完了しました。鉄骨のささらの上に載る踏み板は、ならの集成材です。
上の写真はリビングからのアングル。家の中心に位置する階段は、それぞれの空間をつなぐ役割を担っています。
リビングの顔とも言える大きな窓ですが、ガッチリと養生されているため、外の眺望はしばらくおあずけです。
大工工事が終わり、塗装工事が入っています。
塗装工事中は塗料の匂いが襲いかかってくるので、現場内に長居ができません。
職人さんと喋るときも、なるべく現場の外で。
階段の途中から見たリビングの様子。大工工事中は段ボールで養生されていた窓ガラスですが、今度はビニールで養生されているのでやっぱり景色は見えません。ビニールがなくなっても、今度は足場のネットが立ちはだかりますが。
いわゆる「ペンキ塗りたて触るな」状態の造作収納。乾燥前なのでツヤツヤしています。
リビングの一角に設えられたこの箱。なんのための箱かはもう少し経たないと見えてきません。
外物置の引戸にウェスタンレッドシダーの羽目板を使用するため、色味や割り付けを決めに建具屋さんの工場へ行ってきました。
羽目板は一枚一枚色が違うので、似た色がかたまりすぎず、程よくバラける様にします。
建具屋の社長さん。現場に現れることはないですが、エイトワークスの造作建具は全てこの社長さんが工場で作ってくれています。
それなりに高齢なので勝手に小柄なイメージを持っていましたが、意外に背が高いです。
現場の方は内装のクロス工事が終盤です。
水回りの床はフロアタイルが張られる為、下地のジョイント処理をしています。
外壁の塗り壁作業も入りました。今年は春が遅いためまだ下地塗りまでですが、4月に入って暖かくなったら本仕上げです。
造作仕上げのモールテックス。清掃前の最後の作業です。
食器棚や下駄箱の天板は普段から採用することが多いですが、今回は造作のリビングテーブルもモールテックス仕上げです。
1.2m角の大きなテーブル。今日は下塗りです。
下駄箱の天板は一度サンダーがけをして研磨されたため、仕上がりに近い感じです。
昨年の9月に始まった「陰影の棲家」も、無事に竣工となりました。
リビングには大きな窓と大きな造作ソファ、さらに大きなプロジェクタースクリーンが設けられました。
玄関の壁は札幌軟石、天板はモールテックス仕上げです。
玄関から数歩進むと飛び込んでくる景色。ちょうど桜の季節で目を楽しませてくれます。
キッチンの床は石目調のフロアタイルです。クッションフロアよりも硬さがあり、高級感があります。
キッチンの壁の一部にニッチを設けています。こちらも背面と笠木を札幌軟石としました。
トイレの奥には壁と一体に見える造作の収納があります。
2階とつながる階段はリビングの一角に配置しています。陰影の棲家は全体的に扉が少なく、家全体が一つの空間となっています。
2階からも景色が楽しめる様、大きな窓を組み込んでいます。
何年か前は大きな窓は断熱性能の面で採用するのに抵抗がある場合もありましたが、トリプルガラスが主流となってからはプランの自由度が上がりました。
2階ホールにはカウンター付きのフリースペース。こちらの天板もモールテックス仕上げです。
書斎としても、家事スペースとしても活躍しそうです。
ちょうど桜の季節。そこに風情を感じるかは人それぞれですが、やっぱり写真に収めたくなる魅力があります。
外観はグレーの塗り壁をベースに、アクセントでウェスタンレッドシダーを張っています。
夜の室内。グレーのクロスを使用していることもあり、落ち着いた雰囲気にガラッと変わります。
外部からのアングルも雰囲気抜群です。上下に指向性のある照明器具が夜でもレッドシダーの天井を照らしてくれています。
「陰影の棲家」の名を冠するに相応しい、光と影が表情を創る邸宅が完成しました。