南区澄川の住宅街で、新しく基礎工事が着工しました。
今日は根掘り作業。掘削し、砕石を入れて床(とこ)を作る作業です。
澄川に限らず、南区は地盤の良いところがほとんどです。地盤補強の杭が必要になることは滅多にないため、すぐに掘削に取り掛かれます。
前日には、地鎮祭も執り行われました。小雨がぱらついたものの、滞りなく終わり一安心です。
コロナウイルスのため皆マスク姿。早く普通の生活に戻りたいですね。
掘削と同時に、地鎮祭で神主さんから受け取った鎮物(しずめもの)を埋めました。家の中心付近・深いところへ入れるお守りです。土の中に埋まってしまうのですぐに見られなくなってしまいます。
鎮物も埋まったし、これで土地の神様が工事の安全を守ってくれることと思います。
次の工程は鉄筋の組み立て。どちらかと言えば地味で見栄えのする作業ではないですが、気を抜いていい作業は一つもありません。手際よく進む様に段取りしながらも、一つ一つ丁寧に現場を進めていきます。
基礎の鉄筋が終わり、ベースコンクリートが打設されました。
ベースは家を支える一番底の部分。打設中の天候も涼しくて絶好の気温でした。
午後3時頃からの打設だったので、終わる頃には隣家の影の中へ。これからじっくりと時間をかけてコンクリートが固まっていき、明朝には上を歩けるくらいになっています。
大工工事が始まり、クレーン車を入れての建て方工事初日でした。
夏のように暑くなってきましたが、建て方の天敵「風と雨」の影響はなく大工さんが柱や梁を叩く音が小気味よく現場に響いています。
クレーン車のアームは天を衝くように高く伸びていて毎度写真映えするアングルにちょっとテンションが上ります笑。
柱に対して、水平方向にかけるのが梁(はり)です。これを上から叩いてはめ込むのが、棟梁が持っているどでかいハンマー、掛矢(かけや)です。
一昔前は木槌ばかりでしたが、最近は樹脂製のものも多く見るようになりました。
どちらも持つとズシッと重みを感じます。
クレーンで吊り上げられ、大工さんの待つところまで降りてくる梁。
クレーンのオペレーターの技術も個人差があり、未熟なオペレーターだったりすると大工さんも作業効率が悪く困ってしまいますが、エイトワークスで頼んでいるクレーン業者さんはなかなか評判が良く頼りになります。
翌日の昼過ぎにはもうここまで進んでいました!大工さんの段取りとクレーンのオペレーターさんのおかげで順調そのもの。
屋根を受ける母屋(もや)を架けるところ。この母屋を架け終われば、晴れて「上棟」です!
大工さんたちも「よし!棟(むね)上がった!」とにっこり。どんなベテランになっても上棟の瞬間は一味違うようです。
建物が上棟すると、足場にネットがかかります。
現場で木材を切ったときに出る切り粉などが飛んでいかない様にしたり、作業する職人さんの安全対策としてかけています。
屋根の上では断熱材を敷き始めるところでした。断熱材は軽いので、強風に飛ばされないように気を付けながら張っていきます。
棟梁の足元に落ちる影の濃さが、日差しの強さを物語っています。
ん・・・?奥に一人休んでいる様に見える大工さんが。
実は彼は・・・
本当に休んでいます。暑いですからね。無理せず身体と相談しながら仕事してもらいたいところです。
屋根の断熱材はものの15分くらいで敷き終わります。このあとは板金屋さんが屋根を葺きに来るまで、ブルーシートで養生されるのでこの姿はもう見納めです。
外はあいにくの雨ですが、現場は順調に進んでいます。
一階の床合板も敷かれ、目に入るもののほとんどが木になりました。
この瞬間が一番「THE・木造住宅」という感じです。これからどんどん現場が進むことで、木が見えなくなっていきます。
家の中心部・玄関とリビングの間には階段があり、こちらは踊り場の様子です。ちょうどたたみ1枚分、その下には収納スペースも設けています。あまり高さはないですが、五月人形やお雛様を収納するにはもってこいの広さです。
二階では大工さんが何やらしゃがみこんで作業しています。
「・・・なに悪いことしてるんですか?」
「バカ言うんでないっての!」
床合板と柱の間にできる隙間に、ウレタンを吹いてくれているところでした笑。
わずかな断熱欠損も見逃さない、気遣いの仕事。
なのにリアクション良いのでついからかいたくなるキャラクターの大工さんです。
壁にかけられた道具たち。
作業台に置いているものも含めると、写っている定規だけで4種類。大きな板を切るためのものや、細い木材を切るときに使うもの、角度が自由に変えられる勾配定規など用途によって使い分けます。
大工さんの使う大工道具は、一つ一つ紹介したら何時間もかかるくらい種類が豊富。
休憩中に新しく買った道具の話で大工さんが盛り上がっている姿は実に楽しそうです。
蚤(ノミ)や鉋(カンナ)などの大昔から変わらない道具は、一生モノどころか先代の父親から受け継いだものを使っている大工さんもいます。
道具を大切にしているかどうかは、仕事に向き合う姿にも反映されるもの。
私も若い頃、うっかり指矩(さしがね)を踏んでしまい脚を叩かれたことがありました。
それ依頼、仕事で使う道具を大切にする姿勢は自分の中にも染み込んでいます。
玄関に入ると目に入るのは縦長の窓と階段室。ちょうどハシゴがかかっている部分は階段下を有効に使った収納スペースです。
北向き玄関にありがちな暗い玄関ホールにならないよう、サッシも大きめなものをチョイスしています。
工事の進捗は壁の断熱・気密工事が終わり、石膏ボードが張られているところです。
2階では吹き抜けの石膏ボードを張っていました。
床を組んでせっせとボードを張りながら大工さんが、
「これ吹き抜けの壁全部張り終わったら、俺閉じ込められちゃうよ。出られないんだけど」
と聞いてきました。
一瞬、「あれ?確かにどうするんだ窓も開かないし」と考えてしまいますが、もちろん大丈夫。
ちゃんと脱出経路が確保されています。
床を外して1階に降りられる様に下の大工さんが用意していた脚立。
一瞬本当に吹抜けから出られないと考えてしまった表情を見逃さず、ニヤリと笑った大工さんの顔が憎たらしかったので、脚立をよけて降りられないようにしてしまおうかと思いましたが我慢しました。
今日は階段の施工でした。
踏み板だけが乗っていない、滅多にみられない瞬間。
日常ではありえない状態の光景なので、なんだか不思議な気分になる写真です。
無事に階段が組み終わると、こんな感じです。
これで2階への登り降りも楽になりました。
ちょっと余談ですが、この写真のゴツいヤスリ、石膏ボードをカットした断面や角の面取りなどに使うボードヤスリと読んでいるものです。
大工さんたちとの雑談で教えてもらったんですが、もともとこのヤスリは石膏ボード用のものではなかったそうです。というか大工道具ですらなかったとか。
本来の用途はなんと馬の蹄鉄のための、蹄鑪(ていろ)と呼ばれるものだったそうです!
それをいつの間にかどこかの大工さんが現場で使うようになり、今は大工道具の定番の一つにまでなっているのだから驚きです。
本来とは違う用途で脚光を浴びているもの・・・
他になにか日常生活で同じようなものを例に挙げたいけど浮かんできませんでした。
とりあえず、ここで披露できる小ネタを教えてくれた大工さんたちに感謝です。
外壁の職人さんたちが登場しました。
知識豊富で腕のある、いつも頼りにしている職人さんです。後ろ姿がカッコいい笑。
張っている外壁はアイジーの新色・Fスチールグレー。
今は足場のネットがあるので全景はまだ見られませんが、モノトーン調な中にも柔らかさのある色調です。
アクセントで張るレッドシダーの外壁との相性も良さそうです。
玄関周りの外壁はレッドシダーを採用しています。
玄関ポーチと道路は距離が近いため、やんわりと目隠しするためにルーバーをしつらえます。
ルーバーを大工さんが組む前に塗装の下塗りをしてきました。
本数は多くないものの、炎天下の作業で思いのほかハードでした。
レッドシダーは経年で退色してシルバーグレーになっていきます。それはそれで味わいがあるのですが、塗装をして退色を遅らせることもあります。
塗装が乾いたらすぐに組み込まれました。1本1本、色味が違い表情豊かなのがレッドシダーの良いところ。
味わい深い外観になりましたが、足場が外れて全景が見られる様になるまでもう少しです。
大工工事が完了した「囲む家」の現場では、塗装屋さんが塗装工事に入っています。
昨今の住宅業界では既製品の建材を使うことが増え、一切塗装屋さんが現場に入らない建物を造っている住宅会社も数多くあります。
しかしながら既製品だけにこだわって家造りをすすめてしまうと、特に収納や棚などの面で建て主さんの希望に沿えなかったり、設計意図が現場に反映できなかったりとデメリットも少なからず生じてきます。
なので、エイトワークスでは既製品と造作の両方を取り入れています。
造作した食器棚や造り付けの棚板などは、全て現場塗装。
現しの柱や梁も塗装します。
上の写真は下塗りの色。この上に仕上げの塗装を乗せていきます。
あまり長時間現場の中で写真を撮っていると、塗装の匂いにちょっとクラクラしてきてしまうので早めに退散。塗装工事の次はクロス工事です。
外部の足場がなくなり、全体像が姿を現しました。
メインとなるグレーの外壁は今年の新色。エイトワークスとしても初採用の色です。
レッドシダーの外壁との相性も良く、目を引く外観に仕上がりました。
現場の中では建具屋さんが洗面台の上の鏡を取り付けるところでした。
ミラー用の強力な両面テープを壁に張っています。
まわりの壁にぶつけないよう慎重に鏡を収める職人さん。相棒はエイトワークスの現場では数少ない女性の職人。いつもにこやか素敵な笑顔です。
囲む家も清掃が終わり、オープンハウスに向けて家具も搬入されました。
家具が入ると、やっぱり室内が引き締まります。
造り付けのテレビ台の横は裏の庭へ出入りできる勝手口。庭でバーベキューをするときはここから出入りできますね。
リビング横には畳敷きの和室が配置されています。たたみはヘリ無しの琉球畳。おもては昔ながらのい草ではなく、和紙なので日焼けの退色がほぼありません。
い草たたみの様に、家具を避けたらそこだけ緑のままだったなんてことは起こらない利点があるものの、新しいい草の匂いが感じられないのは少しだけもったいない気もします。
外回りも外構工事がほぼ完了し、あとは物置とカーポートを残すのみ。
毎度のことですが、現場が完成に近づくと嬉しい反面少し寂しさも。なので、今回はその気持ちに合わせて写真もセピア色にしてみました。