西区西野で新たに着工しました、「ニシノイエ」
久しぶりに高低差の少ない敷地です。
間口の広い敷地に計画した建物なので、正面からのアングルだと大きく見えることになりそうです。
鉄筋の検査が無事に合格したので、ベースコンクリートの打設作業です。
暑いですが明日は雨の予報。コンクリート打設の条件としては上々です。
ミキサー車で届いた生コンクリートをポンプ車で流し込みます。
40~50分で終わる作業なので、今日は他の現場の作業から抜けてきてもらいました。
今年も暑い日が続く札幌ですが、炎天下で作業する職人さんには毎度頭が下がりっぱなしです。
現場に行けば、最近は必ず「暑いね~」の一言が最初の挨拶。
暑さと湿度の高さで、カメラのレンズも曇り気味でした・・・
大工工事が始まりました。
お盆が明けて2週間経ってもまだまだ暑いですが、足場の上は風が抜けて少し涼しめです。
現場はクレーンを呼んでの建て方作業。
大工さんは3名入ってくれています。
柱に取付けられているのは、柱が鉛直に立っているかを確かめる「下げ振り」です。
下げ振りから伸ばした糸が、柱からちょうど50mmになる様に調整します。
家起こし(やおこし)と呼ばれる道具を斜めに掛けて突っ張ることで、柱の立ちを調整していきます。
反対側でも下げ振りを睨む大工さん。コンマ数ミリを合わせるために、かなりの時間を使います。
この作業をしている間は、クレーン車は待機。
実はクレーンは実際に稼働している時間と待機時間は同じくらいです。
「ニシノイエ」の目の前は小学校のグラウンド。
子どもたちの元気な声が現場まで届き、大工さんの釘を打つ音と相まって現場にいつも以上の活気を感じます。
今年のエイトワークスの物件の中では最大級の物件。建物の端から撮ると一番向こうが遠い・・・
大工工事もいつもより時間がかかる予定です。
外張りの断熱材が張り終わりました。
テープ処理が終わると同時に雨が降ってきて滑り込みセーフ。
窓の少ない面はスタイロエースをカットせずに張れるので、見た目も整ってきれいに見えます。
すぐに防水シートを上から張るので見えなくなる部分ですが、断熱材の刻印の向きを揃えてくれる大工さんたち。
こういった些細な気遣いにお礼を言うと、はにかんでくれます(笑)
今物件最大の重量物、木製サッシの搬入と取付を行いました。
今回はリビングとダイニングに採用した木製サッシ。全部で5枚ある中で最大のものはおよそ1.8×2.3m。男性4人で「せーの!せーの!」と声掛けしながら、倒さないように、傷つけないように細心の注意を払って運びます。
サッシが収まる前の状態。この大開口を最大限活かすための木製サッシです。
連窓になる部分のジョイントは忘れずにコーキングを。標準の樹脂サッシとは収め方がずいぶん違いますが、木製サッシに慣れた棟梁なのでテンポよく指示を出してくれます。
ガラスの透明度が高いのと、視界を極力遮らないように窓枠を柱の陰に隠しているので、窓が収まった前後でも大開口の印象がほとんど変わらずに仕上がりました。
外壁を貫通する配管や配線まわりの検査。
現場は大工さんだけでなく、設備屋さんや電気屋さんなど、多様な職人さんが出入りするため、それぞれの作業が終わるごとに確認作業を行います。
主に外側だと防水処理、内側だと気密処理の状態をチェックしていきます。
テープの張り方や専用部材を正しく使えているか、コーキングしているところは隙間がないかなど、見るべきところはたくさんありますが、職人さんたちも気を付けて施工してくれているので実際は処理が悪いことはまずありません。
ダイニングキッチンの勾配天井に断熱材を吹き込みました。
普段は石膏ボードを張ってから吹き込むので見ることの少ない断熱材ですが、勾配天井の場合は順序が変わるのでその姿を見ることができます。
吹き込まれたのはセルローズファイバー31.5cm厚。天井裏の空間にパンパンに入っています。
大工さんは無垢フローリング張り作業中。12cm幅のものを一枚一枚張っていくので地道な作業ですが、手間がかかるだけあって仕上がりは上々です。
すべての内装の下地となる石膏ボード張りが終盤です。
壁・天井のほぼすべてが石膏ボードにより覆われることで、構造的な強さだけでなく万が一の火災時にも延焼を遅らせる効果があります。
2階の一室では、これから使う材料が塗装され乾燥中です。
ダイニングキッチンの天井は木スリット仕上げです。
先日塗装した材料を一本一本手作業で。なかなかに根気の要る作業です。
照明器具が付くところは細かく打ち合わせながら進めます。足元に積んである材料が、まだまだ先が長いことを物語っています。
階段の造作中。
今回は階段下をとあるスペースとして活用するため、入り口になるところは柱が建てられません。
そこで棟梁の熟練の経験値が炸裂。角材を斜めに架けることで強度を確保してくれました。
「なるほどこれなら安心ですね!」と感動しても、
「これくらい普通ですけど?」みたいな顔で黙々と仕事を続ける棟梁、いぶし銀。
大工工事の最終工程、造作家具工事です。
大工さんの仕事は、箱の造作までをお願いしています。そこに後日、建具屋さんが引出や扉を取り付けに来てくれます。
大きな玄関収納の箱も、大工さんが自分で板材から切り出し、組み立てています。
こちらは玄関のベンチ。天板が開閉式の蓋となり、収納としても使えるように設計しています。
TVボードももうすぐ出来上がりそうです。
今回の造作家具は比較的ボリュームがあり、大工さんも日数を要していました。
家具工事で多用するこのビスも、いつもよりたくさん消費したそうです。
このビスの消費量が、家具工事の仕事量を測る一つの目安となったりします。
クロス工事の最終日。
竣工までもう少しです。
クロスが仕上がるとスリット天井が際立ちます。
並行して水回りの床、フロアタイルの仕上げ工事も入っています。
西区西野のニシノイエ 竣工となりました。
外観は奥行きに対して間口が広い敷地を活用し、水平方向のラインを活かしたファサードとなっています。
玄関はおよそ4帖の広さ。突板張りの玄関収納と、スリットパネルを貼ったベンチを設えました。
ベンチの天板は蓋になっており、収納としても活用できます。
リビングと空間を共有する階段室。一部に塗り壁を採用し、テクスチャの違いで視線に変化を持たせています。
階段下を活用したドッグスペース。照明と換気も完備した、ちょっと一匹になりたい時にちょうどいいスペースです。
ダイニングキッチンはオーダーキッチンを採用した、ニシノイエのメインとも言えるエリアです。
大開口の窓と間接照明、勾配のスリット天井と、エイトワークスが得意とする意匠を存分に発揮しています。
外部のタイルや庭の芝張りなどを来春に残しお引渡しとなるニシノイエ。
春以降の完成した姿も楽しみです。