この間に私たちは経験を積み重ね、現状に留まることなく、より上質な住空間を作り上げることにフォーカスしてきました。
ご縁があってこの土地に出会った時、木々に囲まれ自然豊かな場所に一目ぼれし、ここにモデルハウスを建築することにしました。
コンセプトは性能・デザイン・オリジナリティの3つを兼ねそろえるというもの。
唯一無二の存在となったこの家は「THE HOUSE」と命名。
お伝えしたいことは沢山ありますが、シンプルに実際にご覧頂くのが一番だと思います。
まもなく公開開始となります。
お楽しみにお待ちください。
札幌市内南区の、とある山林に接する一角で、新たに「THE HOUSE」が着工しました。
敷地は札幌市の緑地保全地区に隣接しているので、ほぼ永続的に自然と共存できる環境です。
ただでさえ短い温暖な季節を、飛び越えてしまったかの様に急に夏が来た北海道。
炎天下で木の葉が落とす影も色濃くなっています。
現場が着工している同じ時期、事務所では外壁の色決め打ち合わせを行いました。
外観は塗り壁がベースになる予定です。
たくさんのサンプルを並べて意見交換しつつ、イメージを共有しながら候補を絞っていきます。
豊かな自然環境の中に建つ「THE HOUSE」。今秋の完成を目指して動き出しました。
基礎工事の工程の中でも要となる、立ち上がりのコンクリートを打設作業。
曇天の下で湿度が高く、コンクリートの打設にはうってつけの気候ですが、作業する職人さんは汗を垂らしながら頑張ってくれていました。
水田に植えた稲の苗の様にニョッキリと生えたアンカーボルト。
所定の位置に配置されているかのチェックも欠かせません。
夏の深い緑の中のセミの鳴き声をBGMに、無事に上棟しました。
建て方作業に集まった大工さんは棟梁を含めて4人。
みんな段取りが身体に染み付いているので、必要以上に声掛けをしなくても一人ひとりが自分がするべき作業をわかっていて見る見る進んでいきます。
上棟すると、家の中からどんな景色が見えるのかイメージしやすくなります。
ここには外に出入りできるテラスドアが付きます。その先には地元の人だけが知っていそうな、ちょっとした自然道の様な小道があります。
その小道から見えるTHE HOUSE。この季節は緑が濃すぎて、思った以上に葉っぱに隠れてしまいましたが樹木越しに映える外観になりそうです。
屋根も葺き終わり、外回りの防水シートや窓の取付も完了しました。
雨に濡れる心配がなくなったので、外と中に分かれることができて大工さんの仕事の幅も広がります。
リビングに取付が完了した木製窓。3連×2段の大開口です。
内部からは窓枠を可能な限り見せない様に。構造躯体の中にガラスが入っているだけに見えるように設計しています。
屋根越しに見える藻岩山。足場がある期間だけ眺められる景色です。
今はまだ暑くて緑が濃いですが、あっという間に紅葉が南下してくるんでしょうね。
それはそれで楽しみですが、短い秋が終わればまた冬の足音が近づいてきます。昨冬の様な豪雪にはならないでほしいと願うばかりです・・・。
壁内の断熱材、グラスウールが充填され、見た目的にも次のステップへ進みました。
エイトワークスの壁の断熱は壁内にグラスウールの充填断熱と、外張りのスタイロエースの二重断熱です。
昨今のグラスウールは水や湿気を吸い込みにくい特徴を持っていて、一昔前のグラスウールに比べるとパンっと張っているのがわかります。
年数が経っても性能が下がりにくい、今で言うサスティナブルな断熱材です。
二階はフローリング張り作業が始まりました。
フローリングの樹種はバーチ。和名で言うと樺(カバ)です。
自然な白さが特徴の表情をしています。
柱が絡むところはベテラン大工二人で技と知恵を合わせて納めています。
あーだこーだと文句を言い合いながらも、楽しそうに仕事する姿は現場内の癒やしです 笑。
現場でカットしてもらった、とある材料を積み込みました。これから建具屋さんの工場に持ち込み、更に加工をしてもらいます。
どこに使う材料かは、もう少し後になってからのお楽しみです。
壁の断熱に続き、天井の断熱材も施工が完了しました。
天井に使用している断熱材はセルローズファイバーです。
普段は天井の石膏ボードを張った後で吹き込んでいる断熱材なのでお目にかかることは少ないですが、今回は天井裏のない勾配天井なため、先にネットを張ってその中にパンパンに吹き込みます。
壁・天井と断熱工事はすべて完了。これから秋になり寒くなりますが、一足早く現場は冬支度を終えた形になります。
一階のフローリング工事も進行中です。
二階と同じく樹種はバーチ。
無垢フローリングは既製品のフロアと違って1枚当たりのサイズが小さいため、施工に手間がかかります。
家の中で、常に身体が触れているのが床。
バーチの程よい柔らかさと温かみは心身に良い影響を与えてくれそうな素材です。
外壁の下地となるベースサイディング工事が入りました。
4人チームの職人さんたちが、親方の指示のもとサイディングをみるみる張っていきます。
外壁の仕上げは塗り壁となりますが、その工程はもう少し先の予定。それまでは外の工事はしばらく小休止です。
吹き抜けの天井は木のスリットで仕上げます。
おそらく今回の現場の中で一番大変な作業のひとつ。スリット用の材料の数は500本を超えます。
大工さん二人で呼吸を合わせて張り付けていく地道な作業。勾配天井なので脚立に上ったり腰をかがめたり、心身ともにスタミナを使いながら頑張ってくれています。
この作業が終われば吹き抜けにかかっている仮床を取り払い、室内空間の全景をみることができるようになります。
吹き抜けにかかっていた仮床が撤去されました。
写真はキッチンからリビング・ダイニング方向を向いたアングル。
スリット天井が、異国感を演出しそうな予感です。
二階に上がると目に飛び込んでくるスリット天井。苦労しただけあって素晴らしい出来栄えです。大工さんに感謝。
外では塗装屋さんが作業中。先日建具屋さんに持ち込んで加工してもらった材料を塗装しています。
背後に立てかけてあるのが塗り終えた材料。横に積んであるものもすべて塗らなければならないので、かなりのボリュームになりそうです。
外壁のアクセントとなる部分は、先日塗装した木材を縦格子状に並べたものになります。
一本一本手作業で釘止めしていく総数は350本。コツコツ地味な作業にも大工さんたちは嫌な顔一つせず・・・と言いたいところですが、時々苦笑いしながら進めていました。
仮止め状態なので少しバラついて見えます。隙間を調整しつつ釘を本締めしていきます。
大工工事の最終日。棟梁が道具を片付けていました。
がらんとして少し寂しくなった現場内。
設置された内部足場が次の工程で入る職人さんを待っています。
秋は天気予報になかった突然の降雨などに見舞われることも多く、工程の調整に右往左往しましたが、なんとか塗り壁の最終仕上げに漕ぎつけました。
今回の外壁の塗り壁は普段の仕上げにもうひと手間加えてテクスチャを味付けしていきます。
染料の入ったスプレーを吹き付け、直後にひたすらスポンジでこするという人海戦術作業。6人という体制で一気に進めていきます。
「伸ばす様にこすれよー!」
「はーい!」
親方と職人たちの間で何度も繰り返された声掛け。こすり方の違いが仕上がりの出来を左右するので、親方もしつこいくらいに声掛けを行っていました。
仕上がった面は、ぼんやりとムラ感が出ています。イメージ通りのテクスチャになりました。
これで外回りの工程はすべて完了。ようやく足場を解体することができます。